NARUTO

□うずまきさんちのナルトくん 02
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長い――さして長くないのだが――冬は終わり生物たちは浮かれ、小鳥もチュンチュンとさえずる、春の昼下がり。
「こらァッ!!起きろっ。ナルトぉ!」
ゴン、という低い音と共に忍者アカデミーの校舎から盛大な怒号が響き、木に留まっていた小鳥たちが一斉に飛び立った。
ある教室を覗くと、若さと誠実さがうりのアカデミー教師、うみのイルカがこめかみに青筋を浮かべて仁王立ちしている。
その目の前に座っている少年が自分の黄色いひよこ頭をしきりに押さえ、呻き声をあげているのと、机に少し垂れた涎を見るに、どうやらこの少年うずまきナルトは授業中に居眠りをしてイルカの鉄拳を頭に受けたらしい。
「何すんだってばよ!!イルカ先生っ!」
「お前こそ授業中に寝るなっ!」
ゴン
また一発。
うおおお、という呻き声が響く。
ナルトの隣の席に座っている黒髪の少年、うちはサスケが大変嫌な顔をし、その顔に見取れている女子多数の中に春野サクラや山中イノが混じっていたり、日向ヒナタが心配そうにしていたり、我関せずと欠伸をしている奈良シカマルや隠れてお弁当を食べている秋道チョウジやこの隙にと教室を抜け出そうとする犬塚キバがやっぱり見つかって怒られたり。

木の葉の平和な日常が今日も今日とてそこにあった。

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